ネスプレッソがスイス、チューリヒ大学と共に開発した教育プログラム、
「ネスプレッソ コーヒー ユニバーシティ プログラム」は2018年に始まりました。
このプログラムは、ネスプレッソの社員向けのコーヒートレーニングの中で最上位に位置します。
存在しているすべてのコーヒートレーニングを修了しており、
かつ、スイス本社の推薦によってのみ受講が認められるという学習機会も極めて少ないプログラムです。
二期生として参加が叶った私は、2019年10月からこちらのプログラムで、
コーヒーの専門的な勉強に取り組むことになりました。
プログラムの内容は、スイスでの実践的な学習(ネスプレッソのロモン製造センター並びにチューリヒ大学にて)、
毎月1回のオンラインセッション(レポート提出あり)、論文執筆の3つの要素で構成されています。
スイスでの学習プログラムは、2019年10月に行われ約2週間現地に滞在しました。


カプセルへのコーヒーの充填量、粉砕の粒度の違いによって最終的なカップクオリティに
大きな違いが生まれることや、コーヒー焙煎やブレンドのコツなどを実践しながら学びました。
さらに、コーヒーの調達方法、新しいカプセルコーヒーを商品化するまでのプロセスを
企画書を作るところから始め、最後はネスプレッソのコーヒーチームにプレゼンテーションをして
評価してもらう、という現実さながらのグループワークもありました。
平日はほぼ毎日宿題があり、寝不足の日々が続きましたが、
チーズフォンデューを楽しむ夕食会があったり、
週末には世界遺産でもあるぶどう畑へのエクスカーションが用意されていたり、
大変な中にも楽しみがありました。
これも、ホスピタリティ大国と言われるスイスならではのおもてなしなのかもしれません。


日本に帰国してからもオンライン授業が続き、論文執筆を開始したのは、2020年の2月でした。
迷いなく論文のテーマを「日本の消費者の方々が好むコーヒーの味わい」に決めました。
しばしばネスプレッソメンバーの方から、「コーヒーの酸味が苦手です」
「酸味の少ないカプセルコーヒーはどちらですか?」「量が多めのカプセルコーヒーはどちらですか?」
と質問されることがとても多かったからです。
論文を執筆するために日本のコーヒー文化や歴史を学び、消費者テストやアンケートを実施しました。
そうして、日本人の方々が好むコーヒーの味わいについて次のことが分かりました。
自身の研究論文 ”The Japanese Consumer’s Coffee Taste Preference” から
一部を抜粋して、ご紹介いたします。
日本では、古くから「コーヒー牛乳」というコーヒーと牛乳をミックスした飲み物が存在しており、その味わいは多くの人々に親しまれていました。
コーヒーは苦味のある飲み物でありますが、その苦味を文化的、社会的に受け入れる環境が日本には醸成されていました。
そして、お米を主食とする日本において、私たち日本人はお米をいただいたときに感じる「甘み」を好み、自然がもたらしてくれる恵みに感謝し、四季を感じながら生活をしている、と言えます。
その一方で、コーヒーから感じられる「すっぱさ」に対しては、抵抗感があります。それは昔、低品質なコーヒー豆が日本に流入していたころに由縁していると考えられています。低品質なコーヒーとは、精製の途中で乾燥が不十分だったコーヒー豆、輸送の際の保存状態が悪かったコーヒー豆のことを言います。それらを焙煎したときにあらわれると考えられている「すっぱさ」を日本人は苦手とします。
つまり、ミルクと合わせたときに調和がとれる味わいで、苦味があり、自然な甘みを感じるコーヒー、そして酸味が控えめなコーヒー、それが日本人が好む味わいなのです。
この味わいをまさに現実のものにしてくれたのが
ワールド エクスプロレーションズ トウキョウ ルンゴです。
大きめのカップで楽しむたっぷりの量で、苦味と焙煎されたコーヒー豆がもたらす甘みを感じることができます。
酸味はとても控えめで、ミルクと合わせてもしっかりと残るコク、ミルクの甘みと調和する苦味。
このコーヒーは、日本の皆様のために作られたコーヒーであるとも言えます。
ぜひ、多くの皆様にご堪能いただきたく思います。

ワールド エクスプロレーションズ
トウキョウ ルンゴ
(オリジナル カプセルコーヒー)
MADE FOR JAPAN
TOKYO VIVALTO LUNGO
ワールド エクスプロレーションズ トウキョウ ルンゴが表現した、
日本で親しまれるコーヒーの味わい、そして日本のコーヒー文化について
ネスプレッソ コーヒー アンバサダー 上野里佳が紐解きます。