ネスプレッソのコーヒーカプセルができるまで(後編)

RIKA'S ADVENTURE ネスプレッソのカプセルコーヒーができあがるまで スイスの製造センター(後編) ネスプレッソ コーヒー アンバサダー 上野里佳 RIKA'S ADVENTURE ネスプレッソのカプセルコーヒーができあがるまで スイスの製造センター(後編) ネスプレッソ コーヒー アンバサダー 上野里佳

ネスプレッソのカプセルコーヒーは、全てスイスの製造センターで作られています。
製造センターは3つあり、それぞれオルブ、アヴァンシュそしてロモンという場所にあります。

前編では、コーヒー生豆が製造センターに到着した後
どのような品質チェックを施されているかということをご説明しました。
後編では、品質チェックが終わった後の工程についてご紹介いたします。

アヴァンシュにある製造センター(筆者撮影)ファサードにコーヒーの木が描かれています アヴァンシュにある製造センター(筆者撮影)ファサードにコーヒーの木が描かれています

コーヒー生豆が持つ味わいのポテンシャルを引き出す工程が焙煎です。
そのポテンシャルをしっかりと引き出すことがローストマスターの責任であり役割です。
ネスプレッソのローストマスターたちは言わば、一流の料理人とも言えます。
長年培ってきた焙煎の経験と数えきれない程の焙煎のレシピを基に、
ひとつひとつのカプセルコーヒーに合わせて、慎重かつ丁寧に焙煎を施します。
美味しいコーヒーづくりのために非常に重要なステップです。
というのは、焙煎を施すことによってコーヒー豆は変化し、かぐわしいアロマが生み出されるからです。
例えば軽い焙煎を施す際には、コーヒー豆がもつ繊細なアロマを引き出し、
コーヒーが育ったテロワールや品種の特徴や素晴らしさを明らかにします。
つまり、花のような香りやフルーティーさ、コーヒーの酸味などが引き出されます。
中煎りをする際には甘みややわらかさを引き出し、
バランスの良い風味のコーヒーづくりを目指します。
深煎りをするとより力強いアロマが生まれます。
例えば焙煎香やココアのような香りです。
さらにコーヒーがもつ苦味も引き出されます。

焙煎の色合いを目視するローストマスター 焙煎の色合いを目視するローストマスター

さらにネスプレッソは、コーヒー豆の粉砕にもこだわりを持っています。
それはなぜなら、粒度によってコーヒーの抽出が影響を受けるからです。
コーヒー豆を細かく粉砕すると、コーヒーはより濃密でフルボディになります。
逆に粗めに挽くと、コーヒーはよりマイルドで軽い口あたりになります。

アルミニウム製のカプセルに密封されたコーヒー アルミニウム製のカプセルに密封されたコーヒー

ネスプレッソでは、焙煎そして粉砕が済んだコーヒーは、
酸素に触れない環境下で取り扱います。
挽いたコーヒーの粉は2日間で風味の3分の1が失われると言われています。
そのためネスプレッソでは、コーヒーを酸化から守るためにアルミニウム製のカプセルに密封します。
そしてその密封状態を確かめるための品質チェックも行っています。
その1つが「バブルテスト」です。水を張った容器に出来上がったカプセルを沈めます。
カプセルからバブル(泡)がぶくぶくと現れないか、
つまりしっかりと密封されているかということを確認します。

バブルテスト:カプセルの密封状態を確かめます バブルテスト:カプセルの密封状態を確かめます

ネスプレッソでは、コーヒーの原産国から最終カップにいたるまでのすべての工程を
自社で一括管理をしており、その間の品質チェックは70にも及びます。

出来上がったカプセルコーヒーは、スイスを始めとしたそれぞれの国に出荷される前に
センサリー・エキスパートたちによって風味の最終確認が行われます。
これはそれぞれの工場で行われており、テイスティングの杯数は毎日300杯にも及びます。

ローザンヌ側から見たレマン湖。湖の向こうはフランス領(筆者撮影) ローザンヌ側から見たレマン湖。湖の向こうはフランス領(筆者撮影)

前編・後編の2回にわたり、ネスプレッソのカプセルコーヒーが
出来上がるまでについてご紹介させていただきました。
ネスプレッソの社員にとっても製造センターでの工程はベールに覆われている部分が多くあります。
その中で、私はコーヒー アンバサダーとして実際に製造センターへ足を運び事実をこの目で見、
ネスプレッソの専門家たちからそれぞれの工程についての説明を受けております。
その見聞を少しでも共有させていただきたく、
カプセルづくりのバックストーリーを取り上げさせていただきました。
RIKA’S ADVENTUREのコンテンツでは、私自身が体験・見聞した
ネスプレッソのコーヒーについての話はもちろんのこと、
ネスプレッソに携わる人々についてもご紹介していきたいと考えています。