
COLUMN
2020.9.9
ネスプレッソのカプセルリサイクル工場 in スイス
ネスプレッソは1986年に誕生し、そのわずか5年後の1991年より、世界に先駆けてスイスにて最初のカプセルリサイクルプログラムがスタートしました。カプセルのリサイクル処理を委託している工場は、ネスプレッソのロモンの製造センターから車で約20分のたくさんの緑に囲まれた場所にあります。

スイス国内で集められたネスプレッソのカプセルがこのリサイクル工場に到着すると、最初にアルミニウム製のカプセルと、リサイクルの際に混じったプラスチックのごみなどとの分別が行われます。

その後、コンベアに乗った状態のままアルミニウム製のカプセルを乾燥させます。乾燥が終わると大きなローラーでアルミニウムのカプセルを潰し、中からコーヒーを取り出しやすくします。

引き続いてコンベアで、カプセルは大きな揺れる床のような機械があるエリアに到着します。そこでは行き先が二つに分かれており、一方はコーヒーの粉のみ、もう一方はコーヒーが取り出されたカプセル類が集められます。
使用済みコーヒーの処理は、こちらの工場ではこれが最後となります。カプセル類は、コンベアの旅の終着地点に向けて引き続き処理が加えられ、大きな磁石が取り付けられた装置をくぐることにより、アルミニウム以外の物をしっかりと取り除きます。このようにしてアルミニウム製のカプセルのみを集めたら、1つあたり約40kgの塊に圧縮してブロック状にします。

ブロック状にしたアルミニウムの塊は、さらに再処理工場に搬送され溶解再生し、再びアルミニウム製品として使用されます。
一方で、使用済みのコーヒーは、また別の再処理工場に移されます。その場所は、今回訪れたカプセルリサイクル工場から車で10分くらいの場所にあります。

奥に見えるドーム状の建物の中に使用済みコーヒー等は約2週間蓄えられ、再処理されます。再処理後は、堆肥、電気・熱エネルギーなどに生まれ変わります。
私がスイスのカプセルリサイクル工場を訪問したのは、2019年10月です。
既にネスプレッソで11年間仕事をしておりますが、こちらの工場を訪問するのは初めてのことで、見るものすべてが新しくとてもワクワクしました。整頓された工場の中にコンベアが設置され、その上をカプセルが流れながらリサイクルされる過程はシンプルかつ非常に効率的でした。工場内に掲げられた「ネスプレッソと共にリサイクルを」の幕を最初に目にした時、工場で勤務されるスタッフの方々が真摯にリサイクルに携わってくださっていることを感じ、他国のコーヒー アンバサダーと共に一同胸が熱くなりました。

カプセルリサイクル工場の見学が終わり、帰りのバスの中で参加者全員が驚いたことがあります。それは、私たちの顔がコーヒーの粉だらけだったことです! 工場ではものすごい数の使用済みカプセルを処理しているため、コーヒーの粉があたり一面に舞っていたのです。
工場を案内してくれたネスプレッソのスタッフの話を聞くことに夢中になったあまり、顔につく粉などには全く気づきませんでした。思い起こせば確かに、作業をされていた方はしっかりとゴーグルを装着されていました。

日本においても、いよいよ使用済みカプセルの回収を開始いたしました。私も先日専用リサイクルバッグを使用し、ネスプレッソブティックに使用済みカプセルを持参しました。スイスでの取り組みに比べたら小さな一歩ではありますが、着実に進んでいけたら良いと思います。
ネスプレッソ リサイクルプログラム

使用済みカプセルの
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リサイクルプログラムを通じて、至福の一杯を地球へ、人へ。
一緒に未来への一歩をつないでいきましょう。